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地方/過疎生き残りのヒント&日中ビジネスの大いなるギャップ

皆さんこんにちは。今週も『中国法務の扉』へのご訪問、ありがとうございます。弁護士の岡部真記です。去年88日にこのHPを開設してはや6か月!このコラムがなんと30回目のコラムのようです!(パチパチパチ…)。金曜日更新と言いながら、やや緊張感がなくなってしまっている感がありますが、遅れているときは「睡眠=健康」ということで多めに、見て頂ければと思います。

 

さて今週は、かなり「中国」な一週間を過ごしました。事件のことは言えませんが、それ以外にとても興味深いお話を色々聞けたので少しだけお裾分けさせて頂きます。

 

① 貴州って…

 先週もお伝えした通り、今週の大役の一つが、愛知県弁護士会国際委員会主催の弁護士向け国際取引セミナーのコーディネーターでした。その中心的なテーマが、【中国取引や中国現地企業が今後「個人情報」をどのように取扱う必要があるか】で、それ自体とても興味深いお話だったのですが(個人情報保護法は年内に成立する可能性もあり、今すぐ準備を始めた方がよさそうですよ!>特に現地化できていない企業の皆様、ご注意ください!)、関連して貴州省(中国の南西部に位置する省)が、IT産業・クラウド産業の聖地になっていると知り、とても驚きました。中国の一部の地域がITの特区のような、すごいことになっている!という話は聞いたことがありましたが、貴州省といえばちょうど1年前の春節に旅行に行くはずだった自然豊かな場所(というか絶景)…恥ずかしながら、全然結びついていませんでした。あの写真で見た美しすぎる風景の場所が、IT・クラウド産業??!!‥

 

新しい産業で地域経済が爆発的に盛り上がる!…とても魅力的です。日本では新たなライフスタイルとして「地方や過疎地に住む」という選択肢は比較的定着してきたように思いますが、地方/過疎地×ITで成功して目立っている場所は思い当たりません。

 

日本のコロナ対策アプリの不具合のニュースを聞くたびに、ついがっかりしてしまうので…日本もどこかの地方(過疎地ならもっと面白い)で思いっきり盛り上がり、あそこの地域で開発されたものなら安くて信頼できる!みたいになるととても面白い&いいなと思いました。

 

② 日中ビジネスの温度差

 今週は、ご紹介頂いて日中ビジネスのコンサルティングをされている中国の方とお話が出来ました。色々な面白い話をお聞きしたのですが…中国企業と日本企業の「ビジネス」のとらえ方の違いの話がとても面白かったです。このコラムでも、中国企業/人は「とりあえずやってみる。走りながら考えて軌道修正する」、日本企業/人は「全ての計画を先に立ててそれを実行しようとする」ところに大きな違いがあると何度か書きましたが、それに加えてなんと…中国企業はすぐに「発注したい」と言う…けれどそれはまだ【ご挨拶】である(!!)ということが判明しました(笑)。日本企業はそんなことを言われると、すぐに身構えて「取引するのかしないのか。いくつつくるのか。何か月で作るのか…」と大々的に検討をはじめるが、<それはまだ早い!挨拶だから!>と教えて頂きました。 弁護士に相談に来られるのはもう少しあとなので、この場面に遭遇することはまずないのですが、中国企業の早めの「買いたい宣言」の様子と日本企業のうろたえる感じが「絵」として浮かび、なんだかとても勉強になりました。

 

591件の司法解釈…

 中国民法典が中国で初めて成立し、202111日に施行されるというニュースは以前ご案内しましたが、なんと最高人民法院が591件の司法解釈と関係する規範的な文書を整理し、民法典に対応した司法解釈等が既に改正・制定されているそうです(ボヤボヤしていました)。

 

中国の司法解釈や法律は数がたくさんあり、自分で少し確認してみようと思うときでも見つけられなかったり、タイトル違いでほかに同じような規定があったりで(さらに地方ごとの決まりもある)とても探すのが難しいなといつも思うのですが(最新版なのか、他に規定があるのか確信が持てない場合が多くあります。留学していた時にクラスメイトに聞いたり、中国の律師の先生に聞いたりしたこともあるのですが、「これで網羅的に分かるんだ!」とはなりませんでした…)、益々大変なことになりそうです。

 

 …どうでしたでしょうか?少しは面白さを感じて頂けたでしょうか。

 

以上が今週の私の新しい発見、興味深かったことです。

 

 

 名古屋は昨日雪が降りました。まだまだ寒い日が続きますが、「春」を楽しみに元気に過ごしましょう。また来週!!

地方/過疎の生き残り!

中国ビジネスのギャップ