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仕事と家事育児、なぜ一人でしているの?!

 

こんにちは。『中国法務の扉』へのご訪問、ありがとうございます。弁護士岡部真記です。

 

すっかり年末、師走感が漂ってきました。今週は、かなり厳しい1週間でしたね。年末にはコロナに翻弄されたこの1年間を総括できるかな…と思っていましたが…まだ難しそうです。色々な立場があり、正解がなく、ある場所ではほぼ日常、ある場所では戦場のよう…というこの状況をどう受け止めればよいのか、まだまだ考えがまとまりません。冬休みの宿題にしようかな、と思います。年末は寒くて心が弱りがちです。経済的な事情や「孤独」で命を落とさないようにやり過ごして頂きたいです。

 

そういえば…ということで、ちょっとホッとしそうな写真を探してみました(5年以上前に泊まった宿にあった囲炉裏の写真です)。結構しんどい時期で、「じんわりと前向きになりそうな予感」がした旅でした(メモより)。そして、猛烈に囲炉裏が欲しくなって、アマゾンを検索したことを思い出します(さすがに我が家への導入は断念しました…)。

 

さて!!気持ちを切り替えて…!!というのも難しいくらいまったりしてきておりますが、今日は中国の定年事情をご紹介したいと思います。

 

中国では、お昼前と夕方5時ころ、学校の近くの道が車と自転車でごった返すという光景をよく目にしました。お迎えに来る大半は…おじいさんとおばあさん(若々しい人から、もう…座ってお休みください、という感じの人まで)。共働きが一般的な中国の家庭では、祖父母が孫の面倒を見るというのが当然のことだそうで、孫の重い学用品を担ぐおじいさんや買い食いさせながら習い事に連れていくおばあさんがたくさんいらっしゃいました。

日本の場合、祖父母がそこまで毎日関わるというのは珍しく、多くの女性は働いて(①)、家族の食事を作って(②)掃除をし(③)、さらに育児までする(④)と説明すると、「信じられない!!」とよく言われました。「どれもアウトソーシングができるでしょ」、「なぜみんな一人でそんな大変なことをしているの?」と聞かれるたびにうまく説明できず「うーん‥」となっていました。

 

なぜこれほど日本と違うのか、人件費の問題か?核家族が原因か?シンプルに価値観?などと議論をしたことがあるのですが、「中国人は仕事のリタイアが早いから。孫を育てた後に老後がある」と言われて目からうろこが落ちました。

 

中国企業の従業員の定年は、男性60歳、女性幹部(通常、管理職と理解されています)55歳・女性一般は50歳です(例外あり)。 多くの人(特に女性)が、会社を定年退職した後、孫育てを数年し、老後を楽しむというイメージを持っているとのこと。確かに50歳は若い…。孫に付き添って公園で一緒に遊ぶことも可能かもしれません。

なるほど 中国は人口が多いからこのようなシステム(?)も可能なのだなと思っていたのですが、この定年年齢の延長が検討されているようです。報道によれば、今年に入ってから、人社部社会保障研究所の所長が、退職年齢を延長する政策(年ごとに1歳の定年年齢を延長し、2045年までは男女の定年年齢を問わず65歳とする)の実施を提案したり、同じような内容の報告書も出されているとのこと。労働総量の減少速度を緩和することが目的であると報じられており、中国でも日本のような高齢化社会になっていくことへの懸念が共有されつつあるようです。

 

中国の新幹線(高鉄)の駅などで見た「至るところ人…」という光景を思い返すと「中国の労働力は無限にあるのでは…」と思ってしまいますが、孫育てを当然のように人生設計に組み込むことが難しい時代がいずれ来るのかもしれません。

 

それでは、今日はこの辺で。また元気に来週お会いしましょう!