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セミナーまだまだ募集中×判例検索データベース

8月があっという間に終わってしまいました。いかがお過ごしでしょうか。

 

もうすぐセミナーです。「少人数」を売りにしてはおりますが、たくさんの方に聞いて頂きたい!是非ご検討ください。

中国法セミナー他

 

今日は(弁護士の先生方しか興味がない気もしますが)、判例検索のデータベースについてです。私はこの2週間ほど、各社の判例検索のデータベースを比較検討しております。他の弁護士にもアンケートを取ったりして(マイクロソフトのFormsを初めて使ってみました。こんな便利なものができているなんて!!)、楽しんでいます。

弁護士は、六法を全部覚えて、判例も全部頭に入っていると思い込んでおられるお客様がたまにいらっしゃるのですが、それは違います。六法と最高裁判例がいい感じに頭に叩き込まれているのは司法試験合格の年とその翌年くらいで、そこから先は、「忘却」と法律改正(今年はコロナのニュースの陰でひっそりと民法が大改正されました)、増え続ける判例との戦いに入ります。本当に終わりのないこの戦い…

その中でも、自分が取り扱う事案に関して有利な類似事案の裁判例が見つけられるか否かは、弁護士にとってもお客様にとっても大変重要な意味を持ちます。まず有利な裁判例があると、弁護士は生き生きします(勇気づけられるため)。次に、裁判自体がスピードアップします(個人的な感想。論点を共有、整理する時間が短くて済むためだと思います)。そして、裁判官の心証に少なからぬ影響をもたらします(弁護士から見ると強く感じます。)。判例は雑誌でも確認でき、大先輩に倣ってコピーをとって保存したりしていた時期もありましたが、横断検索ができず、実際はあまり使えません。これに対して判例検索のデータベースは横断検索ができ、この大切な裁判例を「見つける」作業を強力にバックアップしてくれるわけです。素晴らしい。

判例検索データベースを提供する著名な会社は4つほどあり、私はその全部を先日までトライアルしていたのですが、このニッチ?な世界で各社熾烈な競争をされているんだなとこの度改めて感じました。判例検索数や要旨のまとめ方、関連判例の出し方からボタンの配置まで、比べてみて初めて違いが分かり、大変良い学びの機会になった気がします。他の弁護士と、語り合うのも楽しいです(得意分野によって見るポイントが違ったりします)。

費用の比較がまだ十分できていないので、もしかすると高額だから手厚い、という当然の結果に落ち着く可能性もあるのですが、中でも私が(地味ながら)とても気に入った機能は、判決の中のタイトルや小見出しだけが目次のように見られることのできる機能(D1Law.com)でした(宣伝ではありません)。弁護士以外の方は判決の原文そのものを読まれることは少ないかと思いますが、長い判決は本当に長い。4分割で印刷しても冊子になります。そのためオンラインで読む場合、マウスのクルクル(「ホイール」という名前でした)をかなり長い時間スクロールし続けないと裁判所の判断にたどり着かないのです。そして別の裁判例を見てまたその場所に戻ろうとするとだいたい大事な場所を見失っており、改めてスクロールして探すという…。結局印刷して付箋を貼って…また別の裁判例を検索してクルクル、イライラ…キィ~!…そして印刷…を繰り返すことになります(私の場合)。しかし目次だけが整理されていると、見たい場所にピンポイントで飛ぶことができます。この度こんな機能があることを初めて知りました。小見出しも何階層にもなっていて全体の構造もすぐわかる。第一法規(D1Law.comを提供する会社です)の中にいらっしゃるであろう、私と同じことにイライラし、問題意識を持った(そして解決してくださった!)方にこの感動を伝えたい!有料オプション(900/月)だと先ほど知りましたがそれでも使いたい。というかこれは基本プランに入れて下さい!みんな欲しい機能のはず。

判例検索データベースお試し合戦の結果はまだ決まっていませんが、いずれも進化しているのだなと驚きました(中国の大学院では判例検索のデータベースはあまり利用しませんでしたが、論文データベースは使う度に感動がありました)。

弁護士は能力で差はあまり出ず、どれだけ情熱をもって丁寧に仕事に取り組むかで結果に差が出ると実感します。面倒くさがらず、しっかり裁判例を調べて日々の業務にあたりたいと改めて思いました。

次は、法律書籍のデータベースのトライアルをして使い勝手を確かめたいと思います。