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中国の病院で驚いたこと&オンライン診察

 

みなさん、今週も『中国法務の扉』へのご訪問、ありがとうございます。弁護士の岡部真記です。今週はどんな一週間でしたか。私は中国四川省の遺跡で約3000年前の黄金の仮面などが発見されたというニュースを見て、西安に兵馬俑を見に行ったことを思い出しました。信じられないほど大きな空間に、教科書で見た兵馬俑が整然と並んでいる光景はまさに「圧巻」で、鳥肌が立ちました。何かにつけて規模が違いますね。

 

 

 

今日は、隣のブースの和田弁護士と最近の中国について語らいました(もとい、コラムのテーマに困った私が助けを求めました)。和田弁護士はニューヨーク州の弁護士資格も持っている華麗なる国際派弁護士なのですが、英語圏はもちろん中国やアジアまで広範囲にアンテナを立てておられ、私はしょっちゅう情報争奪戦に負けております(出し惜しみせず最新情報やセミナー情報を教えてくれます)。そんな和田弁護士は、最近中国随一のハイテク都市<深圳>をオンライン視察したそうで、完全無人の店舗に衝撃を受けたそう。その雑談の中で興味深いなと思った中国の医療について今日は少しご紹介したいと思います。

 

 

 

中国に住んでいた時、「すごいなあ中国‥日本はこれで大丈夫かな」と思うことがたくさんあったのですが、中国にも当然課題はあり、その一つが医療体制だとのこと(OECDのデータを色々と見てみましたが、適当なデータが見つけることができなくてご紹介できず…すみません)。確かに、現地の病院に行くとごった返す人・人・人…で、病院が足りてないのだろうか、それとも単に人が多いだけなのだろうか…と思っていました。そういえば、手術や療養で娘夫婦や息子夫婦と長期同居しているという田舎のご両親を紹介されたことも…。

 

 

 

しかし中国では、近年オンライン医療の規制が緩和され、コロナ前からこれを促進する動きがあり关于“互+健康”展的意见·办发201826号)などが出されていました)、コロナ禍を経て、今では「デジタル医療」で世界をリードする存在になっているそうです。農村部との医療格差や医療人材不足などの問題解決も進んできているようです。

デジタル×〇〇、強いですね…。

 

 

 

そういえば、中国の現地病院に行ったときに驚いたことに、カルテを渡され、それを次回持ってくるように言われたことがあります。カルテは病院で管理されると思い込んでいたので、その場で書かれた何かを渡されたときは戸惑いました。病院によって異なるのかもしれませんが(外国人特化の病院ではもらいませんでした)、自分の健康データは自分のものなのだから自分で管理せよ、というのもある意味合理的かもしれません(人も多いですからね…)。眼科で受けた検査の結果もその場でWeChatに飛んできました。それからもう一つの驚きは、診察中にとにかく次々と患者やその家族が入ってきて先生に声をかけていたことです。次の人?が家族並みの至近距離で立って待っておられることもあり、「近すぎっ!!」と叫びたくなることもありました。

 

 

日本でもコロナ禍で、オンライン診察が一気に盛り上がる雰囲気が醸成されましたね。去年耳鼻科に行ったときにも、ちょっとしたカメラ(2000円以内と言われた記憶です)を買えばオンラインで診察できると案内されました。初診はオンラインダメらしい、コロナで大丈夫になったらしい、など断片的な話は聞いたことがありましたが、せっかくなので…調べました。「オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成303月・令和元年7月一部改訂)」という厚生省のガイドラインがベースでした(そして、その後コロナなどに対応して、特例等が発表されています(初診もOK))。オンラインで診察できるかは、医師法、医療法、情報セキュリティ関係の法律が問題なんですね。言われてみれば確かに。

 

 

 

皆さんはオンライン診察受けられたことはありますかね?中国では大手グループがオンライン薬局の運営も開始し、デジタル医療産業はいよいよ盛り上がっているようですが、日本ではそこまで普及している感じはしません(厚生労働省の発表している資料「令和2年10月~12月の 電話診療・オンライン診療の実績の 検証の結果」を見ると、電話や情報通信機器を用いた診療を初診から実施できるとして登録した医療機関は6.39%でだいたい横ばいでした。)。

 

 

 

これは日本の医療機関や薬局の数が多く、医療体制が充実していてアクセスが良いことと表裏だと思いますので、ある意味当然なようにも思われますが、都市部と過疎地域などで医療体制にかなりの偏りがあるのは現実ですし、経過観察中心で物理的に動くのが大変な人の通院を減らし、見守りの頻度を上げるためにはとても有効なのだろうなと思います。

 

 まあでも、日本の場合、過疎地域の高齢の方にオンラインを普及するほうが大変だろうな…やっぱ無理か、と思って資料を読み進めると、なんと実施されていたのは圧倒的に<電話診察>でした。ある意味できる!、しかしそれでよいのか?!?という疑問を感じつつ、そのうち中国からオンライン診察パッケージとか輸入されるようになるのかな(もうされているのかも)などと思いました

 

 

 

とにもかくにも健康にはくれぐれも気を付けて、日々ごきげんに過ごしましょう。また来週!

 

 

 

*現在、今年度のセミナー・動画の企画を検討しており、テーマのアンケートを実施しています(アンケート特典としても動画を作ってお送りできれば…と試行錯誤中です)。回答してもいいよという方は、お問合せフォームに「アンケート可能」など記載して送っていただければご連絡します(実名不要)。是非よろしくお願い致します!