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変わりゆく常識 ~デジタル人民元ってどういうこと?~

 

皆さんこんにちは。『中国法務への扉』へのご訪問、ありがとうございます。弁護士の岡部真記です。

 

 

 

今週は、東日本大震災から10年の節目の3.11がありましたね。「10年」はまだ心が癒えるような期間ではないと思います。傷ついた方々が穏やかな気持ちで過ごせる日が増えますように。

 

 

 

さて今日は、日本でも幾度か報道されている「デジタル人民元(数字人民元)」について書きたいと思います。中国の「お金(通貨)」と言えば人民元ですが、日本・中国の報道によれば、これをデジタル化して実用化するべく、色々な都市で実験が行われているとのこと。

 

 

 

法定通貨をデジタル化!?え、どういうこと??!!

 

 

 

皆様もご存知かと思いますが、中国は既に<超電子マネー大国>です。

 

電子マネーといえば、一つは「微信」(黄緑のマーク)、もう一つは「支付宝」(水色のマーク)で、今では日本のレジでもよく見かけるようになっています。中国では、本当に小さい八百屋でも、屋台でも、ストリートミュージシャンへの投げ銭もこれらで決済が可能でした。

 

 

 

そんな既に<超電子マネー大国>な中国で、「デジタル人民元」とはどんなイメージなのか?「微信」、「支付宝」とどんな差があるのだろう?と素朴に感じていたのですが…、ちゃんとまとめがありました。

 

 

 

色々あるのですが、なるほどと思ったのは以下の点です。

 

 

 

① デジタル人民元は、「微信」、「支付宝」と違い、WiFi環境不要(携帯の電源が切れている場合は当然だめですよ!という案内もありました…親切!)

 

② 「微信」や「支付宝」で支払えるかは、販売先/サービス提供先などが決めるが、デジタル人民元が普及した後は、どの販売先/サービス提供先でも使える(確かに、法定通貨ですからね)

 

③ 記録されるから犯罪に強い(ビットコインが流出したとき、データって心もとないな…と逆の感想を持っていたのですが、そもそも国が認める通貨と仮想通貨では採用する技術や考え方なども違うのでしょうね。)。

 

 

 

人民元と言えば、高校の頃ニュージーランドで出会った中国人の留学生と紙幣交換をして友情を誓ったことがあります。若き日に友情を誓うために使った「紙幣」が今後どうなっていくのか、実用化されたデジタル人民元が国際的にどのような影響を持っていくのか、私にはまったく分かりませんが、「変わらない」と思っていたものがどんどん変わっていく大きな流れの中にいるのだなと思います。私の小さい頃なんて、携帯電話もメールもなかったですからね。年老いた時、「昔はね~~」と語れることが山ほどあるなと思います。

 

 

 

それでは皆様、今週も元気にごきげんにお過ごしください!また来週お会いしましょう。