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離婚届オンライン化と離婚冷静期間(中国民法典)

こんにちは。『中国法務の扉』へのご訪問、ありがとうございます。弁護士岡部真記です。今週嬉しかったことをご報告します。①ホームページを見て中国からお問合せがあったこと、②弁護士会の会派忘年総会の抽選会でシャンパンがあたったこと(1度にはコップ3センチくらいしか飲めませんが嬉しかったです。)。

 このホームページを(ドライアイを発症しながら)立ち上げたのが今年の8月。それ以降、毎週金曜日(ときどき土曜日に食い込む)、コラムをアップしています。書くこと自体はさほど大変ではないのですが、誰かの目にとまることがあるのか?面白く読んでもらえているのか等、さっぱりわからないまま毎週書き続けるのは少々孤独です。そんな中、私を発見し、何か法的な相談について意見を聞いてみようと思われ、そして本当に連絡をくださった…!!なんだか感慨深いものがありました。今日ちょっと面倒だなという日もゼロではありませんが、これからも毎週何かしら書いていこうと思います。

このようにこのコラムをどんな方がどこから読んでおられるのか…という疑問を解消しないままここまで来たのですが(HP制作本の記載に従い、グーグルアナリティクスやコンソールは登録したのですが、日本語だけれど日本語じゃない表記の数々に圧倒され、真面目に見たことがありませんでした…)、友人に見方を教えてもらい、この度読者がどこにいらっしゃるかが分かりました!!

 

なんと…

 

日本と…アラブ首長国連邦でした!!(え!!)。日本と中国くらいは予想したのですが、まさかのアラブ首長国連邦が第二位。アラブの皆様?に何か有用なことが発信できているとは考え難いですが、引き続きよろしくお願い致します。

 

さて、今日のテーマは「離婚と届出」です。最近「脱ハンコ!!」とにぎやかな日本ですが、今後婚姻届や離婚届を含めた戸籍関連のオンライン化が推進される見通しです(日経新聞デジタル2020109日)。これに対する反応は色々ですが、一つ懸念事項として言われているのが「わざわざ役所まで行って面倒な手続きをしないで済むとなると…勢いで離婚してしまいそう!!」というもの。確かに…夫婦喧嘩で勢いあまって…ということもあるかもしれません。

中国は日本より離婚率が高いと報道されています(読売新聞オンライン2020/06/14 11:27)が、新しい中国民法典下での離婚の届出手続き等に関し、この度通知(民政部文件:民116号)が発表されました。202111日より中国民法典が施行予定であることは既にご案内しておりますが、第1077条には「婚姻登録機関が離婚届を受領した日から三十日以内に、いずれかの一方が離婚を希望しない場合、婚姻登録機関に離婚届を取り下げることができる。」という規定があります。勢いあまって届出てしまっても…撤回できます。これは、離婚前に改めて考えるための「冷静期間」の規定と言われています。人民网(日本語版)2020120216:49によると…具体的には

1. 夫婦双方はまず最初に、婚姻登記機関に離婚の登録申請を提出。

2. 30日間の待機。その間に、夫婦のどちらかが離婚を希望しなくなった場合、婚姻登記機関に離婚の登録申請を撤回することが可能。

3. その30日間の間に、夫婦のいずれも民政局から登録申請を撤回しなかった場合、次 の30日間の間に、双方が一緒に婚姻登記機関に行き、離婚証明書を申請する。

4. 2回目の30日間に、双方が一緒に婚姻登記機関に行き、離婚証明書を申請しなかった場合、その離婚の登録申請を撤回したと見なされる。一方、双方が一緒に婚姻登記機関に行き、離婚証明書を申請した場合、審査を経て、婚姻登記機関がそれを登録し、離婚証明書を発行する。

 

…という流れになるそうで、日本での議論も踏まえて興味深いなと思いました(もちろんオンラインで届出可だそうです)。


  ちなみに中国民法典1056条には、「夫妻双方都有各自使用自己姓名的(夫婦いずれもそれぞれ自分の姓名を使う権利を有する)」という規定があります。

法律を読むだけでも、中国・日本の社会や文化などを考えるきっかけになり面白いですよね!

 

最近一段と冷え込んできました。また来週元気にお会いしましょう!!