· 

心を燃やせ!…からの「同一労働同一賃金」

みなさん、金曜日ですね!今週はどんな一週間でしたか?私は、3回シリーズの中国法セミナーが終わり、ホッと一息つきました。次は、1月に愛知県弁護士会主催の中国法セミナーのお手伝いを少しだけさせていただく予定です。中国の律師が直接お話下さる貴重な機会なので今から私も楽しみです!!

中国はこの間、色々と動きがありましたね。11月に入ってから入境管理がかなり厳しくなっていましたが、日中ビジネス往来がこの30日から復活するとか…!具体的にどのようになるかはっきりしませんが、喜ばしい半面、日本は今大変な状況なので少し心配でもあります。これに合わせてということなのか、在日中国大使館の発表によると、121日からまた入国の要件が少し変更されるようです(ダブル陰性証明+健康コードの申請+コード有効期間内の飛行機搭乗が必要とのこと)。中国に限らず、入国の要件は日々変わり得るので、出国準備をされている方々は本当に大変だと思います。癒しの何かも準備して、元気に出発していただければと思います。

個人的な近況としましては…『鬼滅の刃(無限列車編)』を見ました。コロナだし…血とか戦いとかも苦手なので、きっと見ることはないだろうと思っていたのですが…思い立って2時間後には映画館にいました(待てないタイプ)。感想を色々書きたいのですが、あまりにニワカで考察が甘すぎると思いますので、ここはぐっと堪えます。何回もメモしたい!と思いました(メモ魔でもあります)。

さて今週は、中国労働法、労働契約法にある「同工同酬」をご紹介しようと思います。これ、なんの意味だか分かりますか?ヒントは、工作=仕事、报酬=報酬です。

はい、そうです!!「同一労働同一賃金」です。中国語ってすごいですよね、8文字を4文字で表現できるなんて。「同一労働同一賃金」に関して日本では、10月に最高裁判決が立て続けに出ており、弁護士のセミナーもたくさん開催されています。また、「同一労働同一賃金」がルール化された「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(特に、9条・14条参照)が今年4月から施行され、中小企業も来年41日から適用されるため、各社対応に追われておられたかと思います。厚生労働省からもガイドライン他、様々な案内、手引きが公開されていますが、これ→https://www.mhlw.go.jp/content/000467476.pdfが分かりやすいように思いました。なんのこと?と思われた方はちらっと見てみてもよいと思います。

さて、中国の方ですが、さらっと条文に「同工同酬」が出てきます。例えば、労働法46条は「工分配当遵循按分配原行同工同酬」、契約法63条は、「被派遣劳动者享有与用工位的劳动者同工同酬的权利」というように。既に法律になっていることにまず驚き、完全同一賃金ということなのか!?すごいな!…とさらに驚いたのですが、友人(中国律師)に確認してみたところ、手当等で差がつくことはあり、同じ賃金水準を採用するということは要請されるものの、結果として同一賃金にすることを企業側に求めるわけではないようでした(私が理解した限りでは)。そういう目で改めて条文を見ると「享有~権利(権利を享有する)」となっていて、中国語はやはり難しい…と思ったのでした。

中国語で条文を読むのはこのように面白く奥深いのですが、自分で条文を読み、手持ちの日本語の書籍を見比べ、最終的に律師に条文の意味と解釈を自分が納得するまで確認する、というのは(一番よいのですが)、日本法を調べるときの3倍くらい手がかかります…。思えば卒業論文も、中国語との戦いに毎日打ちひしがれていました…。上手な通訳や日本語が堪能な律師もいる中、私が時間をかけてせっせと一連の作業に時間を費やすことは本当に必要なことなのか…という疑問もよぎらないわけではないのですが、通訳や中国律師に任せきりにするよりも、問題意識を持って質問していくことでコミュニケーションミスを防いだり、本当にお客様がやりたいことを伝えるきっかけになったりするのでは…、ひいては日本の弁護士が中国案件に一緒に入る意義につながっていくのでは?と心を奮い立たせ、また目をしょぼつかせながら条文を読んでいます。それにしても、正社員を重用し続けていた日本。今までの常識は明日からの非常識、ですね。大門未知子みたいな働き方もどんどん増えていくのかもしれません。

 

…そうこうしているうちに、また日をまたいでしまいました…。みなさん、また来週!お元気でお過ごしください。